自分語で能力開発

自分語研究家Miki執筆用ブログ

所詮、自分のことしかわからない

 これまでは親や学校など、自分の外側の世界と、自分語について考えてみましたが、今回は、自分自身の世界、自分の内側の世界と自分語について考えてみたいと思います。

 

 何か嫌なことがあったり、違和感、不快感を感じる時、自分の外側の世界に原因があるような気がして、親、学校、職場、友人、環境に目を向けることが多いと思います。誰かが〇〇だと言ったから。こういう職場だから。自分の外側にある世界は、自分では変えることのできない、自分ではどうすることもできない世界のような気がして、そこから抜け出せないから自分は辛いんだ。そんな風に思うこともあるかもしれません。なぜ辛いことがあると、つい自分の外の世界に原因を探してしまうのでしょう?

 

 私も辛いことがあると、ついつい人のせいにしてしまいたくなります。自分が大変なのは、子どものせい、旦那のせい。ついには愛犬のせい、そして好きで移り住んだはずのこの土地のせいにしてしまいたくなります。もちろん楽しくて楽しくて、幸せだなと感じる日もありますが、毎日の家事、育児にいっぱいいっぱいで、自分のペースでことも運ばずイライラしてしまいます。結局、「自分は悪くない。」と誰かのせいにしてしまえば、罪悪感を感じることも、自己嫌悪に陥ることもないので自分の気持ちは楽になります。でも、それでは何の問題の解決にもならないので、いつまでたっても状況が改善することがない。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 

 その一方で、そんな自分のイライラとは裏腹に、自分の生活を羨ましいと思う人もいるし、自分も他の人の生活が羨ましいと感じることもあると思います。でも、自分の見ている、普通だと思っている世界は自分だけのものであって、他の人からすると別世界。そして、他人の羨ましいと思う世界も、自分が想像しているだけの世界で、その人にとってはまた別の世界ということになります。つまり、自分の常識は自分の世界での常識でしかなく、他の人にとっては非常識なことも珍しくありません。言われてみれば当たり前の事実なのですが、ついその事実を忘れてしまい、やはり何かがあれば誰かのせい、環境のせいにしてしまいたくなるものです。

 

 自分の感覚、感情、感、意思が自分語であるとするならば、自分の感じた自分語のままに行動すれば幸せになれる!と言いたいところなのですが、仮に、自分の気持ちのままに行動したとしても、息苦しさを感じたり、イライラが収まらないこともあると思います。そうなると、どうしたらいいのかわからなくなり、いつも行かない場所に出かけてみたり、友達に会ったりして気分転換をしたくなるものです。でも、そんな時こそ、自分としっかり向き合う最大のチャンスなのではないかと考えています。

 

 私の場合、無性に本が欲しい!と思ったり、あてもなくどこかに行きたい!と思うのが不調のサインです。本も行き先も明確な理由がないものがないのはもちろん、とにかく何かを読まなきゃ!どこかに行かなきゃ!という衝動に襲われます。他にも何かが食べたい!という強い食欲になって現れることもあります。そんな時に、気の向くままに行動してみても、本は買っただけで満足、出かけてみたけれど無駄遣いして終わった。単なる食べ過ぎて苦しいだけ。などとあまりいい結果に終わったことはありません。

 

 何か行動してみても事態が好転しないといのならば、自分自身に問題があることは確定です。つまり、いくら自分の外側に意識を向けて、新しいことを取り入れようとしたところで、何かが変わることはないでしょう。では、そんな時はどうしたらいいのでしょう。私はとにかく、自分自身に質問を繰り返します。「何が嫌なの?」「なんで嫌なの?」もちろん、すぐに答えは返ってきません。最初の頃は「なんとなくイヤ」という答えばかりでちっともスッキリしてきません。それでもしつこく「じゃあ、あれが嫌なの?」「これが嫌なの?」と自分に質問を繰り返して行きます。すると、自分が原因じゃないかと予想していること以外に答えがあったりするものです。

 

 例えば私の場合、何か新しいことを始めたい衝動があるけれど、明確なものは何もない。本屋に行ってアイディアを求めに行って、とりあえず目についた平積みの本を立ち読みをして、気になるから買ってみます。でも、家に帰って読もうとしてもちっとも頭に入ってこない。その本に魅力を感じて買ったはずなのに…、「どんな新しいアイディアが欲しかったの?」「本当は何がしたいの?」聞いても答えはわからない。でも繰り返して質問していくと、本当は、外からの情報が欲しかったのではなく、「外からの情報は何もいらない、聞きたくない。」と思っていたということが何度もあったのです。

  

 今は自分からかなり意識をして遮断しない限り、常に情報が入ってくる時代です。テレビやインターネットだけではなく、街にいれば勝手に目に入ってくる広告、聞こえてくる誰かの会話。新しい古いに関わらず、そして必要なものそうでないものまで勝手に情報が入ってきます。新しい情報は常に新鮮で、ワクワクするような内容のものも沢山あります。新しいものを受け入れ、吸収できる時期は、新しいことを思いっきり楽しめばいいと思います。でも反対に、全く受け入れられない時期があってもおかしくありません。新しいことを受け入れられない、受け入れようとしてもうまくいかない時は、あえて情報を遮断してみる。すると、新しい道が開けたり、事態が好転し始めることもあるのです。

 

 簡単に情報収集ができる時代だからこそ、自分に合った情報を見極めなければいけません。では、どうしたら自分にあった情報を見つけ、活かすことができるのでしょう。「情報を鵜呑みにしない。」というのは鉄板中の鉄板で、やはりとても大切なことだと思います。ニュースでも口コミや評価が高いものでも、どこまでが真実なのか、なぜそういう事態が起きたのか、なぜおそのような評価になったのか、自分自身で考え、自分なりに理解することは絶対に必要です。自分で考え、理解を深め、そして自ら行動することを身につけることでしか今の自分がおかれた状況はもちろん、自分自身を変えられないからです。

 

 ただ、何でもかんでも疑って、ダメ出しばかりしていればいいのかというと違う場合もあります。それは、あなたが何かを「できるようになりたい。」そう思った時は「疑わずにやってみる。」ということがとても大切になってきます。

 

 守破離という言葉がある通り、何かを極めたい!と思ったら、その分野で成功している人の話やノウハウなどの情報収集をすると思います。そのあと、情報収集よりも大切なのが、その方法をまず「守る」ことがです。想像の中でのできるできないは関係なく、とにかく言われた通りにやってみる事が絶対に必要です。やった上でできなければアドバイスを求めればいいのであって、やる前からできない理由や、失敗する理由を考えて何も行動しないというのは、全く意味のないことだと思っています。

 

 あることができないのが今の自然な状態なのだから、できないことができる状態ということは今のあなたには不自然だと感じることは当然のことなのです。でも、その不自然な状態を、息苦しく感じ、やり方が間違っているのではないかと思ってしまったり、そもそもやる前から逃げ出してしまったりしてしまいがちです。最初に感じる息苦しさを通らずにステップアップしようとしても、何かが変わることはないでしょう。そして、結局心地のいい今の自分の状態に甘んじてしまうのです。

 

 「自分の常識は誰かの非常識である。」「情報が必要かと思ったら必要ない。」「情報を疑うのも大切だけれど、疑う前にまず行動。」などと話をすると、一体何が言いたいのか、何が正しいのかわからなくなってくるかもしれません。ですが、この世の中のこと全てが常にコインの表と裏の状態であり、1つの片側だけが正解ということはありません。たまたま見えているのが片側の部分なだけで合って、物事には必ず反対の事柄というのが存在していています。その証拠に、自分自身、毎日同じではなく、状況によって気分や感情に変化を感じることがあると思います。

 

 人に対してイライラしてしまうのは相手があなたをイライラさせていると思ってしまいがちですが、相手はあなたをイライラさせようとして行動しているわけではないし、昨日はイライラしなかったことも、今日はイライラしてしまったりと、結局は自分が勝手にイライラしているだけなのです。苦手だと思う行動も、過去の経験が苦手だと決めつけてそう思わせているだけで、思い切ってやって見たら好きにはなれなくても、苦手意識が和らぐ事だって十分にありえるし、苦手がひっくり返ってできるに変わる可能性だってあるのです。

 

 自分は何も持っていないから、何かを手に入れなければいけない。と焦りの気持ちが出てきた時は、あえて今自分が持っているもの、当たり前だと思うことに目を向けて、ゆっくり時間をかけて考えてみてください。そして、自分が今見えている自分にとっての表側だけをみるのではなく、その反対の世界も考えて見てください。ついつい自分の外側に、自分を変えてくれる何かや、自分を楽にしてくれる何かを求めてしまいますが、変わるのも変えるのも、幸せを感じるのも感じないのも、最終的に全てを決断しているのは自分なんだということに気づけるはずです。

 

 そして、自分に何が必要で、何が必要ではないのかが見えてきたら取り入れるなり、手放すなり、何かしら行動をし続けることが大切です。実際に物を断捨離してみる、姿勢を正す、食べ物を変えてみるなど、できることであればなんでもいいのです。実際に行動を始めようとすると、取り入れることより手放すことに不安や怖さを感じると思いますが、捨てる、手放す、言葉にして吐き出すという事は次のステージへ行くために必要で有効な方法だと思います。

 

 ですので、どうしても何かがうまくいかない、停止してしまっている。そんな風に感じた時は、自分について改めて考えてみて、自分は何が好きで何が嫌いなのか、大切なもの、譲れないものはなんなのか、大切だと思っていたけれど、今の自分にはもう必要ないことはなんなのか、考えて、行動することをお勧めします。